遭難事件とグラサン少女(上)




〜3〜


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今日はツイている。
そう思う。

なにせ、あの夕波みつきと、ようやく接触することが出来たからだ。

はじめて夕波みつきという人物を知ってから、もう3年は経つだろうか。
今日という日のための布石を、その3年の間に用意してきたのだ。
それがようやく実を結んだ。あとは行動に・・・

・・・いや、まだ慌てるのは早いだろうか。
事は、はじまったばかりだ。何も焦る必要はない。うまく行っているのだから。

きっかけは、偶然だ。もしかしたら、運命、必然、というものかもしれないが。
あの夕波みつきの方から、僕が接触するチャンスを作ってくれた。
彼女が大学に入学してからの彼女についての情報は、高校生時代のときより減っていた。
無理もない、彼女と僕は1歳違いなのだから。
だから、もしかしたら彼女は既にどこかの写真同好会か何かで活躍しているのではないか・・・と、
この一年は少し不安もあった。

だが、やはりどこのサークルにも属していなかった。
彼女の性格をよく理解していれば、僕が持っていた不安要素など、意味を成さないのだが、それでも万が一というものもある。
しかし・・・

「一つ目の賭けは、成功だ・・・」

思わず笑みがこぼれてしまう。

これで、うまく彼女との関係を成立させることができた。
だが、失敗した点もある。

彼女と、取引をしてしまったことだ。

本来なら、すんなりサークルのメンバーとして受け入れてもらうはずが、彼女に強く警戒されてしまった。
僕は、彼女についての持っている情報をあまりにも出しすぎた。名前、高校名、そして最大のキーワード「烏丸家」・・・。
特に最後のはマズかった。
もし名前程度、いや、高校名ぐらいならまだこれほどまでに酷くはならなかっただろう。
「同じ高校出身の・・・」とでも言っておくぐらいでよかったのだ。

最初にミスを犯したと思ったのは、彼女といつも一緒にいる大海なぎさの名前を出したことだ。
これですでに、彼女に不信感を持たせてしまった。当の大海なぎさは、あまり気に留めていなかったようだが。

そして、そこで焦ってしまった僕は、「烏丸家」というキーワードを出してしまった。
そのキーワードを、その時点で出せばなんとかなる・・・とでも、その時の僕は思っていたのだろうか。
あまりにも愚かすぎるが、過ぎてしまったことは仕方ない。次から失敗しなければいいのだ。
まだ・・・巻き返すことはできる。



「さて、歯車は動き出してしまった・・・。どう立ち回るか・・・。次にどうするか・・・」



テーブルの上に置いた、夕波みつきが墓参りをしている写真を見て、僕は薄く笑った。



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「・・・遅いねぇ、水原くん。」
「・・・そうだな。」

時は、昼下がり。
私となぎさは、いつもの大学のカフェテリアのオープンテラスでコーヒーを飲みながら、水原月夜の帰りを待っていた。
水原月夜は今日、自ら、大学の部室を借りるための申請をしてくる、と申し出て、教務室へ向かったのだ。

彼に最初に会ってから、1週間。
電話番号とメールアドレスを、警戒しながらも交換し、なんとか彼が持っている情報を聞き出そうと何度か試みた。
しかし、まるで魔法にかけられたかのように、私は上手くはぐらかされ、ついに成果を得ることはできなかった。
彼がなぜ、私と「烏丸家」の関係について知っているのか、どこまで情報を持っているのか・・・それが知りたかった。
もしかしたら、私も知らないような「烏丸家」のことまでも把握しているのではないか、とさえ思った。
それほどまでに、彼の気味の悪い笑みの向こうにある何かに、私は警戒しながらも、覗きたかった。

「あっ、水原くんだっ。戻ってきたみたいだよ。」

なぎさが向いている方向を見ると、そこには、人ごみに紛れながらもこちらに向かってくる水原月夜の姿があった。
背が高く、髪が整えきれていないために、まるで人ごみという海に浮いている海藻のようにも見える。
海を抜け、ようやく私たちのところまでたどり着いた海藻は、相変わらずの薄気味悪い微笑で言った。

「・・・大学の許可が下りました。部室、無事に借りることができますよ。」
「そうか、わかった。」

私がそう言うと、彼は私たちに「今から行きましょうか?」と提案してきた。
今日は幸いなことに、午前中しか授業が無かったから、
せっかくだからどんな部室を借りることができたのか、それを確かめてみたくなった。
無言でうなづくと、

「・・・それじゃあ行きましょう」

と言われ、彼を先頭に私たちは大学の部室棟へと向かった。


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「な・・・おい、これは・・・」
「す、すっごぉおおおおおおい!」

そこは、部室棟3階の一番端の部屋だった。
昼下がりの今の時間、窓からは暖かい太陽の日差しが射していた。

部屋の広さは・・・軽く50畳はあるだろうか?

私が大学入学したばかりの頃、いくつかサークルに体験で入ってみたことがあるが、
そのほとんどのサークルの部室は、教室の半分ぐらいの広さしかなかった。

「・・・たまたま、以前までここを使っていたサークルが、この春活動を終了したそうで。
 つい昨日、この部屋の清掃を終えて、貸し出しを再開したそうですよ。」

なるほど、確かにこの部室棟の廊下より、明らかに床が綺麗になっている。
ワックスも丁寧にかけられているのが目に見えてわかる。ふと壁を見ても、汚れ1つない。

「あぁ、そういえば教務室で部屋の使用許可をしたときに受け取った書類。
 今お渡ししておきましょうか?」

そう言って、彼はカバンから丁寧に閉じられたファイルを取り出す。
それを受け取って中身を見ると、どうやらいろいろな書類が、それぞれ分類ごとに整頓されているみたいだ。
サークル設立許可書の控え、部室の使用許可申請書の控え、
それに、大学のサークル連合会入会案内書、部室使用時の注意事項の書かれたプリントなどなど・・・
多様な色、サイズの紙にもかかわらず、きっちり分けているところを見ると、意外とこまめな性格だというのがうかがえる。

私は、サークル設立許可書の控えを取り出して見る。
そこには、この新しく作ったサークルについて、私たちが決めた内容が書かれていた。



サークル名「アルバムズ」。
活動内容、主にカメラで写真を撮り、世界で1つしかない自分たちだけのアルバムを作ること。
定期的に自分たちで写真展を開催するほか、外部の団体や個人で行われている写真の大会に出場する。
年に1度、サークルの合宿を行い、メンバーの交流と、撮影技術の向上などを目的とする。

現在の構成員。夕波みつき(部長)、大海なぎさ、水原月夜。



サークル名は、なぎさと以前に2人で話し合ってきめたものだった。
部長に関しては、なぎさも水原も、私がすべきだと言って譲らなかったために私がすることになった。
確かに、なぎさに任せるのは少々頼りない気がするし、水原を部長にしてしまうと何をされるかわからない。
まぁ、水原の場合は、部長に据えなくても何をするのか、まったく見えてこないのだが・・・。

「備品については、そこに入っている『備品借用申請書』に必要事項を記載して、提出するようです。」

なぎさが、ツルツルすべる床で楽しそうに滑っているのを横目に、プリントを確認し、すべてバッグにしまう。

「ありがとう、あとは自分で確認しておくわ。」
「・・・お役に立てれば何よりですよ」

微笑を浮かべる水原。キラりと銀縁メガネが光る。やはり気味が悪い。

「それじゃあ、今日は解散しよう。 備品はあとで適当に申請しておく。」
「わかった〜」
「・・・わかりました。それじゃあ先に失礼します。」

そう言って水原は一礼し、さっさと部室を出て行ってしまった。
私となぎさは部屋を見まわし、どんな備品が必要か少し考えた後、部室を出た。

なぎさとは、部室棟の前で別れ、私一人で備品の申請に行くのであった。


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「やった、やった、サークルでっきた〜。やった、やった、みつきと一緒〜。」

そう口ずさみながら大学の桜並木の下を歩く大海なぎさの姿を、俺は木陰から見ていた。

俺にとって、彼女は、まるで太陽の存在だ。
はじめてその姿をみた時、俺の全身に衝撃が走った。ついに、ついに見つけたのだ。俺の女神様を・・・と思った。
それは1年前・・・入学したばかりの頃、たまたま授業で隣合わせになった俺に、彼女は言った。

「すみません。ちょっと消しゴム貸してくれませんかぁ?」

その時の、彼女のすまなそうにしている表情。

「消しゴム、ありがとうございましたぁ。助かりました。」

その時の、彼女のキレイな笑顔。

俺は、その瞬間。恋をしてしまった。
今まで、いろんな女と付き合ってきていたが、これほどまでに強く恋心を抱くことはなかった。
女との消しゴムの貸し借りなんて、いくらでもやってきていた。
それなのに・・・それなのに!
俺はその時、超がつくほど、オドオドしてたっ!
あぁ、いったいあの時の俺は何をそんなにオドオドしていたのだろう!
彼女に、俺の挙動不審な行動から、変人に思われたんじゃないかと不安に駆られるほど、強く恋をした。

それから、彼女に近づきたくて、彼女のことを調べたり、こっそりこうやって木の陰や建物の陰から彼女を覗き見たりした。
見れば見るほど、彼女は光輝いていて、時折あまりのまぶしさに心がうめく。

でも、最初に会った時以来、彼女とは一言も会話したことがない。
女と話す事なんて、どうということもなかったはずなのに。いざ話しかけようとすると、足がすくんでしまうのだ。

その大きな理由の1つに、彼女にまとわりついている、夕波みつきとかいう女の存在があった。
夕波は、いつも彼女と一緒に行動しているようで、非常に仲が良いようだった。
楽しそうな表情で話す彼女に対し、夕波の表情はあまり崩れることがなく、せいぜい微笑どまり。
あぁ、腹立たしい! ふざけているのか、あいつは!
キレイな笑顔を向けられているのに、その程度の表情しか返していない夕波が、すごい・・・うらやましい。

夕波といえば、同学年の中でも、トップクラスの頭の良さを誇る。
おまけに、去年はクソむかつくイケメンアイドルと付き合っていたという噂まであるのだ。
今は別れたらしいが、2年生以上のやつで、夕波のことを知らないやつはいない、というほどに有名人なのだ。
そんなやつが、まるでボディーガードのように俺の女神様についている。
悪いムシがつかないようにとでも思っているのだろうか。

1週間ほど前、彼女が何やらサークルの勧誘活動をしているのを見かけ、勇気を出して話かけてみよう、
あわよくば、そのサークルに入ってしまおう! とまで思っていたのだが、
夕波と背の高い妙な男が近くにいたせいで、それができなかった。



しかし

「今がチャンスだな・・・」

今、俺の女神様は一人で歩いている。周りに夕波の姿は無い。
話しかけるなら、このチャンスをつかみ取るしかない・・・!

勇気を出して、木陰から一歩踏み出す。
一歩、また一歩、着実に近づく。あと15・6歩ぐらいか・・・。
話しかける内容はもう考えてある。いける、いけるぞ!

と、そこで突然、俺の女神様に話かけてきた男の姿を見つけた。
背の高い・・・銀縁メガネをかけた男・・・。この前、ここで夕波と話していたやつだ。
そいつが、俺の女神様にいったいなんのようだ!?

俺は、とっさに近くにあった木の陰に身を隠し、2人の様子を伺うのだった。


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「情報収集の鉄則。より、近い人間から探るべし。」

「秘密のメモ帳」と書かれたボロボロのメモ帳のあるページをめくると、そこにそう書かれていた。
目を通して確認した後、「秘密のメモ帳」をポケットにしまう。

今までの立ち回り方は上々の出来だった。僕の才能については、夕波みつきは興味を示してくれたようだった。
それだけでも、うまくいっていることがわかる。
最終的には、夕波みつきが僕のことを理解してくれたうえで、協力を示してもらうことが必要なのだ。
あの写真のことについて、本人から聞き出すまでは・・・失敗していられない。

目の前、10数メートル先から、大海なぎさが歩いてくる。
やはり、一人だ。夕波みつきの姿はない。

きっと夕波みつきなら、すぐにサークルの備品を借りるための申請をするだろう。
そして、その申請は1人でするから大丈夫だ、と言って、大海なぎさと別行動を取るだろう。
「先に帰ってていい」と夕波みつきは言うはずだ。だから、ここで待っていれば・・・

「・・・必ず、大海なぎさは一人でここを通る。正解。」

計算どおりだった。
あまりの正確さに、僕自身驚いてしまう。
やはり、情報がモノを言うのだ。夕波みつきの考え方。大海なぎさの考え方。
それを知っていれば、よっぽどのミスをしない限り、勝てる。

大海なぎさが、僕の存在に気づき、あれっ?というような表情で首をかしげる。
僕はゆっくりと大海なぎさに近づき、話しかけた。

「・・・先ほど、お聞きしたいことがいくつかあったんですが、それを忘れていまして・・・今、よろしいでしょうか?」
「ん? 聞きたいこと? なぁに?」

どうやら、話を聞いてくれるようだ。

「以前に、夕波さんから、昔の話を聞いたことはありますか? 高校生の頃のこととか・・・」
「ん〜」

大海なぎさは、腕組みをして少し考えるようなしぐさを取った後、言った。

「そういえば、あまり聞いたことないかなぁ。みつきのお父さんとお母さんはもう死んじゃっていることは聞いたけど。」
「そうですか・・・。」
「でもどうして? あ、そういえばみつきから聞いたけど、みつきと同じ高校出身なんだっけ?」
「えぇ、そうです。」

私がそういうと、急に大海なぎさは顔をパッと明るくさせた。

「よかったぁ。」
「・・・何が、ですか?」
「だってみつき。あんまり自分のこと話してくれないんだもん。友達もあまり居なかったって言ってたし。
 みつき、本当はすっごい良い子なのに・・・。心から話すことができる人、私以外にいないって言ってた。
 でもでも、同じ高校出身なら、みつきと仲良く話ができるよね! 本当によかったぁ。」

その言葉を聞いて、僕は、なんだか夕波みつきと大海なぎさの関係について、何か見えた気がした。
夕波みつきは、心から大海なぎさを信頼している。
そして逆に大海なぎさも、夕波みつきを信頼している。
決して、2人の学力は同等ではない。運動能力でも差があることを、既に情報として得ている。
それでも、2人の関係は強い何かで結ばれている。

「・・・そうですね。僕も、夕波さんとは仲良くしたいと思っています。もちろん、あなたとも。」

もちろん、それは目的のためなのだが。

「だよねだよね〜。私も〜。」
「・・・あぁ、あと、もう一つ、いいですか?」
「うん、何〜?」

これからが本番だ。ミスは・・・許されない。

「大海さんは、今までに心霊写真を撮ったり、見たりしたことがありますか?」
「お〜、もしかして、そんなのに興味があるの?」

ん? 想像していた反応より、少し違う。
てっきり、大海なぎさはそういうのは苦手だと思っていた。

「・・・興味がないわけではないんですけどね。」
「ん〜。まぁ何枚か怪しい写真を撮ったことはあるし、見たこともあるけど、あんまり幽霊とかって信じないからなぁ。
 ほら、よく火の玉を見るとかっていうけど、プラズマ現象で説明がついたりするよね〜」

確かに、科学的根拠で火の玉現象が立証されていることは説明がついている。
他にも、窓に映ったいるはずのないぼやけた人の顔が写真に映っているとか、そういうのもあるが、
大抵はその場にいた人の顔や、壁などの模様が窓に反射してできてしまった・・・などということもある。

「まぁ中には、明らかに怖〜い写真を撮ったこともあるけど。」
「大海さんと夕波さんが撮った写真の中で、ですか?」
「そうだねぇ。見たい?」

まさか、向こうから見せてあげようかと提案してくるとは思わなかった。
想像以上に、事が運んでいる。

「ぜひ、見せていただきたいです。あ、もちろん普通の写真も今度見せてください。」
「見せてあげるのは良いんだけど・・・でも条件があるなぁ〜」
「条件・・・いったいなんでしょう? 僕にできることであれば。」

その条件が、難しいことでないことを願う。
場合によっては、大海なぎさへのアプローチを断念せざるを得ないからだ。

「難しい顔しなくても、そんなに大変なことじゃないよ〜。 水原君が撮ってる写真を見せてほしいだけ〜。
 やっぱり、気になるんだよねぇ。その、首に下げている一眼レフカメラ・・・。」

その時、大海なぎさの目つきが一瞬変わった気がした。
まるで猛獣が獲物を捕らえたような・・・。思わず僕は足を半歩引いてしまうほどに、するどい目・・・。

「・・・あ、ごめんごめん。どうしてもカメラのことになっちゃうと、気になるんだよね〜。
 そのカメラ。ほとんど使ってないでしょう?」
「なぜ・・・それを?」

いたずらっぽい笑みを浮かべて、大海なぎさは言う。

「手入れが、妙に行き届きすぎているんだよねぇ。キレイすぎる・・・とはちょっと違う。
 まるで、箱から出して1度も使っていないだけのような。」

正解だ。

「宝物なの? それとも、ただ単に私たちに近づきたかったから、カモフラージュとしてつけてるだけ?」
「・・・いえ、これはまだ買ったばかりなので。」
「ふぅん、そっかぁ。じゃあいつもは何で写真を撮っているの?
 確か、いつシャッターチャンスがあっても良いようにカメラを持ち歩いているって言ってたけど。
 この一眼レフじゃ、無いんでしょう?」

あまりの予想外の展開に、僕は少し戸惑ってしまったが、なんとかポケットから1台のシルバー色のデジタルカメラを取り出して、見せる。
これは、僕の”仕事用”のカメラだ。これを人に見せたことは今まで無い。
だが、大海なぎさは、僕が本当に大事にしているカメラを取り出させるまでに、まるで誘導するかのように話を進めてきた。
・・・大海なぎさはもしかしたら、夕波みつき以上にやっかいな相手かもしれない。

「あれ? デジタルカメラなんだ〜。しかも結構良いタイプ。」
「・・・えぇ、お気に入りです。整理がしやすいので。」
「そっかそっかぁ。で、どんなのを撮ってるの?」

しかし、そう簡単に中身を見せるわけにもいかない。
とりあえず大海なぎさにデジタルカメラを渡したが、幸いなことに、今朝写真データの入っているカードを家に置いてきて、
空っぽのデータカードを差し替えたばかりだから、1枚も入っていない。

「あらま、空っぽ。ざ〜んねん。 今度、見せてね。 私も見せるから〜」
「・・・わかりました。ありがとうございます。」

大海なぎさは、デジタルカメラを返してくれると、そろそろ行くね!また今度〜、と言い残して、小走りで帰って行ってしまった。

「・・・大海なぎさ・・・」

大海なぎさの姿が見えなくなると、僕はポケットから「秘密のメモ帳」とペンを取り出す。
【大海なぎさ】と書かれたページに得られた情報などを書き込み・・・

「とりあえずは、クリア・・・ということにしておきましょうか。
 少し、予想をはずれる展開になりましたが・・・まだ。まだなんとかなるはずでしょう。」

そうつぶやいて、僕は学校を後にした。



続く